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イケメンのおかげで人生楽しい

8/29 グッバイ・ガール

グッバイ・ガールを見てきた。
後から調べたら日本初演は20年前。
ぽつぽつと再演されてきた。
もう記憶から抜けてるところとかたくさんあるのでとても偏った感想。ざっくりいきます。


男運ゼロ、元ダンサーでシングルマザーのポーラ。何人目かの彼氏は置き手紙を残してイタリアへ消えてしまった。三人で暮らしていた家に住み続けることになった母娘。しかし部屋の名義人だった元彼は、売れない役者のエリオットに部屋を貸してしまっていた。

アメリカのラブコメ
面白かったけど、最初に出てくる感想はこれ。(私には)共感するところも特になく珍しい展開もないし、まぁそうだよねという終わり方。元々の映画版を見たことがないから今回がどう演出されているのか分からないけど、展開がぽんぽん飛んでて「いつの間にそんなことに?」ってなってしまうところがあった。
時間の都合とかあるんだろうけど。

この主人公ふたり、エリオットが転がり込んできた時点では全く馬が合わない。
娘もいるし男に対して警戒心もある気の強いママと、自由気ままに暮らしたい独り身の男。一緒に住むならここは妥協しましょう、という妥協点が見つけられない頑固なふたり。お互いに「顔も合わせたくない!」状態だった。
のが、いつの間にか娘を挟んで一緒に食卓を囲んでいる。何があった。険悪とは言わなくともいがみ合ってた二人がちゃっかり食卓を共にしているって、見えてないとこで何があったの。

その後の流れはまぁ王道といえば王道で、芝居を酷評されてボロボロのエリオットをポーラが慰めたり、全財産の入った財布をスられて落ち込むポーラにエリオットが家賃光熱費の援助を申し出たりしているうちに、
「あれ?なんかこの人可愛い人だぞ...」
「彼って悪い人じゃないのかも...」
という流れを経て結ばれるんだけど、今度は今まで何だったの?ってくらいにいちゃつきだす。

心身ともに結ばれた翌朝、ポーラが起き出すとキッチンには不機嫌な娘。
「どうしたの?昨日よく眠れなかった?」
「昨日この家によく眠れた人なんているの?」
ここのやり取り、アメリカのホームドラマとかにありそうだなと思った。
で、その後起き出してきたエリオットが「パンでも焼いてよ」みたいなことを言うと、ポーラは突然怒り出す。「何よそれ!可愛かったね、とか、昨日は最高だったよとか言えないの?!いつもこうよ!夜が明けたら私はただのお世話係!」なんて感じに。
正直ぽかんとした。私が経験不足というのも勿論あるけどそれにしたって結構理不尽なキレ方だと思うんだけど。
どうしたら僕と一緒にいてくれる?と尋ねるエリオットに、娘を安心させてほしいと頼むポーラ。
ふたりがそうなればいいな、と願っていたのは娘だったけど、実際にそうなると今までの男と同じように彼が母親を捨てて出ていくのではないかと不安になっている。だから娘の不安を取り除いて欲しい。ポーラに頼まれたエリオットは娘の説得へ。

無事婚約まで辿り着いたと思ったら、エリオットに映画の仕事が決まって2ヶ月カナダへ行くことに。
本当にありとあらゆるレビューで叩かれてた主演なのにこのタイミングで映画の仕事が決まるの?と正直思ってしまった。
新婚旅行も兼ねてすっかり母娘と一緒に行く気になっているエリオットに、自分も仕事が決まったし娘は学校がある、そんな急に行けるわけがないという。
そりゃそうだ。普通に考えたらそうだ。
でもエリオットは違った。
「君にとって人生の優先順位の第一位は結婚だと思ってた、そうかもういいよ!」
発言小町で盛り上がりそうな展開だった。何歳の設定なのか分からないけど、年の差云々という描写がなかったからそこまで年齢が離れていないとして、小学生の娘がいる母親と近い年齢の男の発言としては有り得ないだろうと。
多分観ていて一番気持ちが入ったのはここだと思う。何言ってんだこいつ。

出て行くエリオットを引き止めないポーラ。このまま別れちゃうの?という娘に「彼次第よ」と答える。
結局その晩中にエリオットは家に帰ってきて(飛行機が遅れてて云々と言い訳をしながら)、改めてプロポーズ、ハッピーエンド。


子役の女の子たちはとっても可愛かったし、紫吹さんも歌は勿論華がすごい。岡田さんは初めて拝見したけど歌が上手い。ただわざとなのか息の量が多いのか、本人の役名と紫吹さんの名字がもごついてて「なんて?」っていうことがあったのが気になったというか残念。

それと一幕の最後あたりに、「私もママと同じダンサーになりたい!」と言う娘とそれを止めるポーラの場面があるんだけど、その話がそれきりで終わってしまって特に回収されなかったのも気になった。

振り返ってみても、出演者の質とか音楽とかそういう点はとても良かったと思う。ただ、私にはのめり込んで観たり共感しながら観るものではなかった。というか、感情移入しようとすればするほど正直イライラしてしまいそう。客観的にというか、フィクションだと割り切って観た方が楽しめる。





グッバイ・ガール
2015.8.7~23
東京国際フォーラムホールC
演出 マキノノゾミ
出演 紫吹淳 岡田浩暉 他